9月 23 2014
生前の相続対策と遺言・遺留分 ②遺留分の基礎
最近、相談が増えている「遺言と遺留分」についての2回目です。
遺留分とは、相続人に「留保」されている持分的利益です。
ですので、故人が遺言によって「長男にすべての財産を相続させる」としても、兄弟姉妹を除く相続人は遺留分を主張することができます。
※兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分はあくまでも権利ですので、行使するかどうかは遺留分権利者の自由です。
下の図を見ながら、遺留分の基礎を考えます。
被相続人(遺言者)は、自由分と遺留分を有していることになります。
自由分とは、文字通り遺言者が自由に処分できる部分です。
遺留分とは、兄弟姉妹を除く相続人がいる場合に留保される部分です。
一般的な例として、父(A)・母(W)、子供(BCD)がいるケースを考えます。
このケースの場合、父(A)が財産(120とします)について「長男Bにすべての財産を相続させる」という遺言を遺して死去した場合、
自由分:60
遺留分:60
となります。
そして、
遺留分60についての個別的な遺留分割合は
母(W) 法定相続分1/2=30
二男(C)法定相続分1/6=10
三男(C)法定相続分1/6=10
となります。
たとえば、二男(C)が、「父の遺言は私の遺留分を侵害するので無効だ」と主張したとします。
しかし、この主張は認められません。
遺言は有効とした上で、遺留分という権利行使があってはじめて、遺留分は具体化されます。
で
すので、三男(D)が、「私は遺留分権を主張しない」と言えば、遺留分は具体化されません。
なお、この場合に、二男(C)が「三男(D)が遺留分を行使しないから、私の遺留分割合が増える」と主張したとします。
しかし、この主張も認められません。
遺留分はあくまでも割合が認められているだけであって、誰かが行使しないからといって、その分が増えるというものではありません。
以上が、遺留分の基礎と遺留分割合です。
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