9月 30 2014
遺言・遺留分 ⑦ 遺留分対策と「特別受益の明確化」
今まで、遺留分に対する対策をいろいろとご説明しました。
最近、「遺言」に対する注目が高まっているため、それに呼応して「遺留分」に対する対応に注目が集まっています。
今回は、より具体的なケースを考えながら、「特別受益を明確にする」 ことをご説明します。
父が、長男に「すべての財産を相続させる」という遺言を作成したとします。
そして、相続人は長男と二男。
父は、二男には、生前に遺留分を越えるほどの多額の贈与をしていましたので、「二男は遺留分を主張しない」と思っていました。
この場合に、二男は遺留分を請求できるでしょうか?
まず、遺留分の算定の基礎となる財産額 の算定です。
① 相続開始時の資産(+の財産)
② 相続開始時の負債
③ 一定の生前贈与・遺贈などを加算する(二男の生前贈与=青い部分)。
遺留分の算定の基礎となる財産額
× 遺留分割合 (子であれば2分の1)
× 相続分 (長男と二男であればそれぞれ2分の1)
= 遺留分額
となります
そして、特別受益をもらっている相続人については、特別受益の額は差し引きます。
つまり、下の図のように、特別受益である贈与 > 遺留分額 であれば、実際に遺留分として取得できる金額はありません。
したがって、本件では、二男は遺留分を取得できないことになります。
ですので、父と長男の立場から見ると、「特別受益を明確にする」ことは、極めて重要です。
そのため、当事務所では、遺言において、「二男に○年○月○日に○○を贈与した」ということを明確にして、さらに贈与した事実を示す証拠もそろえておくようにしております。
遺言や遺留分、遺留分減殺請求についてお困りの方がいらっしゃれば、お早めにご相談ください。
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